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【ワインを選ぶということ】

コロナ鍋となり1年半以上、一般のお客様によりよい商品やサービスをどのように提供していこうかといろんなことを見たり聞いたり考えたりもした期間でもありました。

そしてネット上にあふれるワインの情報が溢れんばかり。

これをそれぞれの方々が咀嚼していくことは難関極まりない。

 

今更ながら再認識したのが、

 

「話題のワインが大して美味しくない」ということです。

 

ワインメディアを賑わし、愛好家垂涎、ネット瞬殺で完売などさんざんに煽る耳障りのいいワードが輸入元から出荷される前になると足早に広まります。

実際にその後縁あって試してみると「騒ぐほど美味しいか?」って思うワインが増えたように思えます。

もちろん、不味いとまでは言いません。

要するに他に類を見ないほど感動的なワインではない、全体の水準があがったこともあり際立って秀逸というほどでもない。

そしてお客様を惑わす「嘘、大袈裟、紛らわしい」キラーワードの数々。

 

ここ20年くらいから進歩がない売り言葉が

・DRC(ロマネコンティの会社)に元醸造長が手掛けたワイン

・シャトーペトリュスの栽培責任者のワイン

・アンリジャイエの弟子が作ったワイン

・ロマネコンティで使用した◯◯

・オーパスワンの元◯◯が

・パーカーポイント◯点

・シャトー◯◯(偉大なシャトー)の畑に隣接している

 

などなど列挙すればキリがない。

私の主観としては「御伽噺、都市伝説、神話」と言ってもいいくらいあてにならない売り文句をいまだに我々の業界は振り回されているのかと呆れます。

嘘では無いのでしょうが悪意を感じる誇大な表現であり、事実を逸脱するワインも見受けますので懸命な皆様はどうか冷静なご対応をお願いしたい。

 

有名ワイナリーに居た人、その息子、といったワードはまぁあります。

DRCで働いて居た人が別の場所でワイン作ってもDRCにはなりません。

アンリジャイエ絡みが最も斬新で、ジャイエと一緒に働いたわけでもなく「影響を受けた」というだけでジャイエの名前をだします。

偉大なワイナリーの「隣」。 それがどうした。

例えるなら、

イニエスタがヴィッセル神戸にきましたが、今のところバルサになってませんね。

これでまかり通るのなら、僕の店の宣伝文句は

「日米通算最多安打数を誇る元シアトルマリナーズのイチローこと鈴木一郎氏と

同じ"鈴木性"であり

1973年生まれと同じ年齢の

鈴木崇志氏が営むワインショップ」

といった売り出し方が適切です。

もっとも私には野球経験はまったくありませんが。

と、まぁちょっと荒っぽくなりましたが当店が言いたことはこのようなワードを使うこともない出自のワインはたくさんあり、それでいて実力派は多数おります。

そういった銘柄にぜひ目を向けていただきたいのです。

未開ワインのフロンティアは大海原のように広く深いのです。